現在、世界には約50種類ものウコンの仲間が存在しているが、主として健康食品としてのウコンを指して言う場合、
日本原産の「秋ウコン」、「春ウコン」、「紫ウコン」の3種の事を指す場合が多く、
二日酔いや肝臓の強化などに多く用いられるのは「秋ウコン」の事である。
秋ウコンは正式名称を「鬱金(ウコン)」、
肝臓に良いとされる有効成分クルクミンを春ウコンに比して約10倍以上も含有している。
それに対して春ウコンは正式名称を「姜黄(キョウオウ)」、
胃腸に良いとされ抗癌作用もあると言われている精油成分を秋ウコンに比して約6倍程度含んでおり、
同じくカルシウムやカリウムなどのミネラル成分も約6倍以上含有している。
以後、このサイトでは”ウコン”と呼称する場合、
肝臓や二日酔いに良く効くと言われる「秋ウコン」の事を指して説明する事とする。
ウコンとは、ショウガ科ウコン属の多年草の事で、
秋ウコン、黄染草(キゾメグサ)とも呼ばれており、日本最大の産地でもある沖縄では鬱金(ウッチン)とも呼ばれている。
紀元前970年頃には東インド地方で栽培が始まったと考えられており、
日本には平安時代には琉球へと伝わり、江戸時代には庶民の生活にまで広く普及している。
現在ではカレー粉やたくあんの着色料などの食用として用いられるほか、衣服の染料や、生薬などの用途に利用されている。
ウコンの有効成分であるクルクミンには代表的な効能としてまず真っ先に二日酔いが挙げられる。
クルクミンには肝臓を強化する働きがあり、
アルコールを摂取する約1時間くらい前に服用すればその効能を得る事ができると言われている。
クルクミンには二日酔い以外にも多岐に渡ってその効能があると言われている。
■生活習慣病■
肝疾患、心筋梗塞、心不全、心肥大、腎疾患、糖尿病、動脈硬化、メタボリックシンドロームなど
■癌■
口腔(こうくう)癌、腎臓癌、すい臓癌、大腸癌、乳癌、皮膚癌など
■炎症■
アレルギー、胃潰瘍、炎症性腸炎、潰瘍性大腸炎、関節炎、リウマチなど
■感染症■
マラリアなど
■その他■
鬱(うつ)、筋肉疲労、骨粗しょう症など
肝臓を強化し、美肌にも効果のあるクルクミンの効能は上記のように多岐に渡るが、
その反面、水に溶けにくく、体内への吸収率が非常に悪い事でも知られている。
クルクミンは豆に含まれているレシチンと一緒に摂ると、その吸収率も上がると言われており、
インドではカレー(ウコン)を食べる時に豆と一緒に摂る事が多いと言う。
また、黒胡椒に含まれているピペリンという成分も同様にクルクミンの吸収率を上げると言われている。
また、クルクミンは水には溶けないが、
脂には溶けると言う脂溶性である事でも知られており、オリーブオイルなどに溶かしてその吸収率を高めたり、
赤外線照射によっても吸収率が上がるという特性などを利用して、
現在ではクルクミンの吸収率を出来る限り高めるべく研究が進められており、
その成果とも言えるサプリメントなどの商品も販売され始めている。
肝臓強化や二日酔いには最も効果があるとされている秋ウコンだが、全てにおいて他のウコンに勝ると言う訳でもない。
それぞれのウコンとの違いについて
■春ウコン■
正式名称を「姜黄(キョウオウ)」と言う。
精油成分やミネラルが豊富に含まれており、
秋ウコン同様に肝臓に良いとされている。
他の内臓も含め、総合的に健康を維持したい場合には、
この春ウコンが適している。
■紫ウコン■
正式名称を「莪朮(ガジュツ)」と言う。
ピロリ菌除去作用が非常に強い。
腰痛、肩こり、ニキビ・シミなどに効果があり、
胃潰瘍や十二指腸潰瘍の主な原因であるピロリ菌を除去すると言う効能もある。
■肝機能障害の方によるウコン大量摂取は危険である。
ウコンには同程度の重さで牛レバーに相当する鉄分が含まれており、
C型慢性肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎などを患っている方の肝臓にこの鉄分が過剰に蓄積された場合、
症状が悪化する事が分かっており、中には死亡したと言う事例も存在している。
■「上薬」に位置付けられるウコン
中国では漢方薬や生薬について、
「上薬」、「中薬」、「下薬」の3つに大きくランク分けされており、
「上薬」とは、いわゆる不老長寿の薬であると同時に、
副作用が無く何年飲み続けても問題が無い物を指している。
ウコンは中国ではこの「上薬」とされており、他には高麗人参や
霊芝などが位置付けられている。
■適量を守り続けていれば大丈夫
ウコンの代謝物質は肝臓に負担をかける為、
過剰摂取に起因すると思われる肝機能の低下などの副作用も報告されている。
どんな良薬でも過剰摂取はよくないものではあるが、
適量を守り続けている限り、
このウコンに関して言えば特に副作用を心配する必要はないと思われる。
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